ヘリテイジ(HERITAGE)クロスオーバードーム fを使用した感想
最近、登山紙やウルトラライト系の本で紹介されるヘリテイジの「クロスオーバードーム f」。
重量が600gと軽量なシェルターで、北アルプスのテント場でも多く見かけるようになりました。
私自身、ずっと気になる登山グッズでしたので、頑張って購入して使ってみました。
正しく使えば武器になる(!?) クロスオーバードーム fを紹介します。
購入経緯
これまで特に大きな不満もなく、アライテントのエアライズ1を使い続けていました。
周りのテントを見ても目移りすることもなく、このテントで十分と思っていたわけですね。
一方、別の考えも湧いてきました。
テントを張っても中にいるのは寝るときだけ。
設営後は荷物を置いて散策や登山へ行く訳で、テントに快適さは必要ないかも。
それなら軽量でシンプルな物に置き換え、機動性を高めた方が自身の登山に合っている(‘ω’)
当初は一般的なツェルトを考えましたが、高所では少し心もとない上に、敷居の高さ(?)を感じて、
ドーム型のヘリテイジの「クロスオーバードーム f」を選択しました。
尚、クロスオーバードーム fをメーカーのホームページで確認すると、テントではなく「ツェルト」と表記されているうえ、
「ビバーク時を想定」した記述になります。
「テントとは違う」
これを大前提に使用しなければ、痛い目に遭うのは間違いなさそうです。
もし、友人が最初のテントにクロスオーバードームを選ぼうとするなら、止めて一般的な山岳テントを勧めます。
各サイズ等
メーカー発表で諸元は以下の通り
設営時のサイズ:75×200㎝ 高さ(内寸)95cm
重量:本体・ポール・バッグ含め600g
慎重176cmの私が横になっても特に窮屈さは無く、何よりも重量600gという驚異の軽さ!
各ディテール
2本のポールを通すだけで設営できる非常にシンプルな形状、
一般的なシングルウォールテントと同じといえます。
入り口はL字型にファスナーが付いていて、比較的広い入り口が確保されています。
内部は「ツェルト」なので、側面から底面までが同じ生地で構成されています。
この生地が非常に薄く、生地越しに地面が透けるほど。
乱暴に扱うと簡単に穴が開くかもしれません、大切に扱いたいものです。
側面上部と、もう片方の側面下部に換気口が設置されています。
上部の換気口は絞る事ができますが、ネットが付いていないので虫が入り放題!
同メーカーの「モスキートネット」を使うことで対処しました。
一方で下部の換気口にはネットが付いているので、モスキートネットを使用する必要が無いと判断しました。
※メーカーでは下部換気口専用のモスキートネットが存在しています。
グランドシートを考える
ツェルトにグランドシートが必要か?
と言われそうですが、薄い素材の底面とテントの様に使用することから、グランドシートが必要と判断しました。
破れやすい底面を保護することで、寿命も延ばせると思っています。
(…1、2か所派手に破れたら、まぁいいや。ってなるかもしれませんが)
グランドシート用にAmazonにて購入したのが「デュポン”タイベックRシルバー」。
Amazonでヘリテイジのテントを検索すると、一緒に購入されている方が多いとの事で『一緒に購入』と紹介ています。
お値段も手頃だったので迷わず購入。
テント底面のサイズよりグランドシートが大きい場合、雨がグランドシートとテントの間に溜まると考え、テントより少し小さめの、
710㎜×1970㎜
としました。まずはコレで様子見しようと思います。
グランドシートの四隅には補強用にテープを貼った後にパンチで穴を開け、紐を通しました。
この紐を使ってテントに固定してみます。
張り縄を追加
こちらの製品には張り縄が装備されていないので、追加しました。
北アルプスではペグが刺さらないテント場が多いので、ガイドラインの追加は絶対に必要!
ヘリテイジから「リフレクティブスーパーガイライン」が販売されていますが、
敢えてモンベルの「リフレクティブ張リ綱 3mm」と「アルミランナー ミニ」を使いました。
使い慣れたエアライズ1に倣い、張り縄の長さは1本あたり約1.7m。
クロスオーバードームには「強化もやい結び」にて固定しています。
実践!
木曽駒ヶ岳、頂上山荘にて
先ずは8月の木曽駒ヶ岳、標高約2,870mの頂上山荘のテント場にて使用してみます♪
こちらは風あり、雨やガス有りと試してみるには条件がそろっていますし、もし何かあっても
ロープウェイで下山可能です。
設営して周りのテントと比べ、改めてクロスオーバードームのコンパクトさを実感します!
ネガティブな意見ではありません、これで十分なのです٩( ‘ω’ )و
特にこのアングル、スマートさが際立っています。
庭で張った時には気づかなかったのですが、風の影響でシェルター中心部分が凹んでしまい、
グランドシートが露出しています。
これでは雨が降ったらグランドシートとシェルターの間に水がが溜まります…
シェルター側面に荷物を置いて、グランドシートが隠れる様にしました。
上記のグランドシートの大きさ 710㎜×1970㎜ は大きすぎました。
今後要改善です!
夕方からガスが濃くなり、小雨が長時間続きました。
やはり生地が一枚のみの為、雨音はよく聞こえます。更に風ではそれなりに揺れました。
軽量なポールを採用しているので、そこは仕方がないでしょう…
そして、朝起きてビックリ!
シングルウォールで定番とされる結露が有りません!
2ヶ所の換気口の効果か、これには意外な驚きでした。
八ヶ岳にて
9月、木々に囲まれた赤岳鉱泉のテント場、直風が当たらないので、全く心配はありません^ ^
快適な時間を過ごせました。
ここでも結露は皆無!ダブル換気口おそるべし。
一方で、10月の青年小屋のテント場では朝起きると、かなりの結露が発生していました。
上下の換気口はしっかり開けた状態でしたが…条件により結露が発生するようです。
まとめ
シェルターである以上、テントほどの快適性や強度を期待してはいけませんが、
使っていて使いづらさや不快さは感じませんでした。
既に山岳テントを持っていて、軽量化に興味がある方は購入して後悔する様な品でないと思います。